これからの時代は「従業員ファースト」?できる取り組みを紹介します

「○○ファースト」という言葉を聞いたことはありませんか?2017年からアメリカ大統領をしているドナルド・トランプ氏が選挙活動中に「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」と繰り返し口にしたことから、さまざまな媒体でそれが取り上げられ、語彙の単純さも相まってか「○○ファースト」という言葉は政治の場のみならずさまざまな場所でみられるようになりました。日本であれば現職都知事の小池百合子氏が、都知事選の際に「都民ファースト」を掲げて勝利したことが印象的ですね。

「○○ファースト」という言葉はキャッチーで使い勝手が良く、さらに意味もシンプルで分かりやすいため、組織改革の際にも重宝できるワードでしょう。下手に「○○を推進し…」などと言うよりも「○○ファーストの組織を目指します」としたほうが、枝葉を取り払ってしまう乱暴さはあれど、伝わりやすさには雲泥の差があります。

さて、今の日本は深刻な労働力不足に陥っています。労働人口は年々減っているものの、企業は全体的に人手不足の様相を呈しています。定年を迎えても嘱託や再雇用をして残ってもらうことを望まれる従業員も少なくありません。一方で一般的に労働する年齢であるとされているにも関わらず働かず、学校にも通っていないニートの問題もあります。今の日本の15~39歳の43人に1人がニートと言われています。2019年においては該当世代の2.3%がニートという試算が出ており、この層を働かせることができれば労働力不足は多少なりとも改善されると考えられています。

そこで重要なのが「従業員ファースト」という考え方です。職場は仕事をする場所ですから、学校のように手取り足取り丁寧に従業員の面倒を見てやる必要は、本来はありません。しかしながら近年の職場は、効率化の名のもとに最低限の教育すらもままならず、それが原因でドロップアウトしてしまいニートとなってしまう若年層も少なくありません。高校卒業者の約半数以上が大学に進学しており、多様な学びを身に着けている以上、それらを活用することは企業にとってもプラスの影響がでることは言うまでもありません。

では従業員ファーストにするためにはどのような施策が効果的でしょうか?そこで充実させたいのが、会社の福利厚生です。現在、新卒の学生や転職先を探す求職者は、会社の福利厚生を重視する傾向があります。充実した福利厚生がないと、そういった求職者に選ばれないだけでなく、既存の従業員にさえ、このまま会社に居続けるという選択をしてもらえません。会社によっては、他の会社に見られないような、独特な福利厚生を作っているものもありますが、必ずといって会社独特の福利厚生は必要ありません。

既存の従業員にもメリットがあるものと言えば、食事と住宅への補助が挙げられます。どちらも金銭で賄うことが可能ですが、金銭では別の用途に使ってしまう可能性があります。使い道は自由とはいえ、食事や住宅環境の向上を目的に支給している補助が別のことがらに使用され、結局従業員の健康を守れないということになれば本末転倒です。

食事であれば週に1度や月に1度など、定期的に「オフィスランチ」として宅配弁当サービスやケータリングサービスを使って、栄養バランスの良い食事をとれるようにしてはいかがでしょうか。そして住宅は、社宅制度を導入してはいかがでしょう。近年主流の借り上げ社宅であれば、他地方からの就職者へのアピールポイントにもなるほか、転勤がある業態であれば住宅のあたりを付けやすくなるというメリットがあります。社宅の管理は外注もできます。NTTビジネスアソシエが提供している社宅管理代行業などを利用することをおすすめします。

2021年4月23日 更新