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【徳道上人】


 三十三観音霊場の創始者である徳道上人は、奈良時代、斉

明大皇の二年(六五六年)、播磨国揖保郡に御生まれになりま

した。ある日仮死状患に陥り、閣魔大王の御前に呼ばれます。

閻魔大王は、人心の乱れを憂い、観音信仰をもって仏心の開

花を望まれました。そして徳道上人に三十三の宝印を託し、

観音霊場開創を依頼されました。その故、観音巡礼者が冥府

 へ赴いたとき、三十三ケ寺の宝印が押された笈摺や納経帳を

守持していれば、閣魔大王により無条件で極楽へ導かれるの

です。閻魔大王のもとから戻られた徳道上人は、観音信仰を

広めようと奔走されましたが、当時の人々にはなかなか受け

 入れられず、機が熟するのを待つため、摂津国中山寺に宝印

を納められました。